最近、比較的安価な萬年筆を手に入れたので、書き物をしていた所万年筆は楽しいと言う事に改めて気づいたとの事で、そこで昔に(20年位前)入手したがいつの日か使わなくなり引き出しの肥やしになっていたクロスの万年筆を思い出し、取り出して書いてみようとした所20年前にインク入れたままになっておりペン先はカラカラに乾燥しており全く書ける状態ではなく、漬けペンで書くとペン先も太く(M)今の自分には合わないと思い、オーバーホールと共にペン先を細字(EF位)に仕立て直そうと修理調整にご来店になられました。
確かに、ペン先・ペン芯は勿論の事差し込んだままになっていたカートリッジの中に残っているインクまでも固まっている状態で、急いで分解しようとすると壊してしまいます。
クロスは今修理に出しても部品が無いなどの理由で、修理が出来ないとかで返って来ることが多く、まずはゆっくりとインクを溶かし分解出来る所まで持ってゆかなくては何も始まりません。
オーナーはご自身では出来る事はないようだと何もせずそのまま持ち込まれました、これが正解ですインクが詰まっているだけで破損した所はありません、 手間ひまはかかりますがオーバーホールで充分使用できるようになります、後はペン先の細字直し・インク出調整・書き味の調整・ペン先・軸の磨きで高級筆記具の良さを十分に味わう事が出来るでしょう。