万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2023/11/22
コラム

【モンブラン】万年筆 作家シリーズ ジューヌ・ベルヌ

作家シリーズ ジュール・ベルヌのインク漏れと吸入器の外れ直しになります、漏れはペンカバーの緩みでした、吸入器のネジ部分の外れが原因でした。

長い間のうちに共に緩んできたのでしょう、ペンカバーの交換をしてシール剤できっちりと締め付け、吸入器の調整後にこれもしっかりと緩み直しをしました、さらにペン先には曲がりではなく全体にずれがありましたので、ゆがみを直しますこれでインク出の安定と滑らかな書き味になります、長い間の使用中に知らず知らずにズレや緩みが出たりします、そのような時はそのままにせず重大なことにならないうちに早めのオーバーホールをお勧めします。

この様なお手入れをされれば、さらに何年も快適にご使用いただくことが出来ます。

今回は、2003年発売の作家シリーズ「ジュール・ベルヌ」です、万年筆14.000本、ボールペン12.000本、万年筆・ボールペン・メカニカルペンシルの3本セット4.500セットの発売でした。

初めて手にした時はなんと綺麗な万年筆だろうと思いました、ブルーの万年筆はこの時始めてのような気がします。 波のような地模様、これをギョーシェと言う事を初めて知りました、その上にブライトブルーのラッカー仕上げ、プラチナプレートの仕上げ、ペン先の模様は潜水夫のヘルメットの彫刻、天ビスの窪みは潜水艦、ノーチラス号の窓をイメージしてるとの事、久しぶりに手にする“ジューヌ・ベルヌはまだ新鮮さを失っておりません、綺麗な万年筆です。

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2023/11/21
コラム

【モンブラン】万年筆 P114

調整前の写真を撮り忘れましたので、この写真は修理調整後のものになりますが、調整前も後も見た目では何も変わりません、原因はペン先の全体のゆがみと、古いインクと紙の繊維などの詰まりです、持ち込まれた時は全くインクが出ない状態で、見た目ではどこに異常があるか分かりませんでした、まず完全に洗浄しペン先のゆがみ直しを行い組み立て試し書きをした所、ザラツキを感じましたのでイリジュウムの再調整をしました、ただこれだけでは最後までキッチリとインクが出るかどうかは判りませんので、試し書きで「インク空気の交換」が出来ているか確認しなくてはなりません。

 

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2023/11/11
コラム

【モンブラン】万年筆 作家シリーズ ヘミングウェー

1992年、最初の作家シリーズの作品になります、「アーネスト・ヘミングウェイ」万年筆20.000本/ボールペン30.000本が発売されました。
No,149サイズのペン先を使用た限定品は、4年後に発売されたアレキサンドル・デュマの2本だけになります、ただしペン先はこのヘミングウェイ用に手作業でカットされた専用のペン先になります、デュマのペン先はデザインが一部変わっております。
コーラルレッドの胴軸と古典的なゴールドプレートのクリップが付いたダークブラウンのキャップは、1930年代のモンブランの万年筆を偲ばせるデザインで大変人気があり、発売終了後も人気が上がり発売時の何倍もの金額で取引されました。
今までに何本ものデュマを調整して来ましたが、久しぶりに手にするデュマはやはり落ち着きがありしっくりと手に馴染み、古典的なデザインながら古さを感じさせないさすがモンブランと感心させられます、いい万年筆です。

インクが出ないとの依頼です、最近入手されたと事ですが当初より全く出ないそうです。

到着して試筆をしましたが、本当に書ません当初はインク詰まりかと疑い、漬けペンで書いてみましたがやはりインクが出ません、かなりの筆圧を掛けてやっと少しインクが出るようです、原因はペン先の締まり過ぎです、ここまでキリ割が締まっているのも珍しいです。

まずすべてを分解しオーバーホールをします、次にペン先全体にゆがみがありましたので型直しをします、そしてキリ割の調整とインク出の調整、ペン先が赤く変色しておりますので磨き、試筆の結果ザラツがありましたのでイリジュウムの再研磨となります、これでこれから長く快適にご使用いただけます

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2023/11/08
コラム

【ペリカン】万年筆 旧型#500クラッシック 14金ペン先

 

遺品として譲られた古いタイプのペリカンです、ですがペン先が「F」ポイントでしかもインク出が多くて使いづらいとの事です、ご自身の好みと書き癖が合わず使いにくいのと、吸入器も重くスムーズに吸入出来ないとの事、せっかく譲り受けた物ですので何とか使ってあげたいとの思いで、調整を依頼されました。

このペン先は、現行の物と違い腰が柔らか目で少しの筆圧でもすぐにペン先が開きます、だからと言ってペン先を締めますとインクが出にくくかすれます、又ザラツキも取りにくく調整しにくいペン先になります。

今回は少しの筆圧でも開きにくく、出来るだけ滑り良くと調整しました、吸入器も軽くスムーズに動くようにしました。

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2023/11/07
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 ペン先仕立て直し

「OB」のペン先を「M」に仕立て直し(細字直し)の依頼です。

インクがうまく出ない、書き出しが掠れるとの事での依頼です、オーナーは斜頸ペン先(O/オブリーク)とは気づかずに入手されたようです。
なぜか思うように書けない、インクが出ない(途中切れ)と悩んでおられました、オーナーは”M”ペン先と思い込んでおられたようです。
これは特殊ペン先の為、オーナーの書き癖とペン先の選択が合っていなかった為です、そこで今回は単なる細字直しではなく思い切って、「M」へのペン先に仕立て直すのが良いだろうと思い提案をさせて頂きました。
オーナーの書癖と好みをお聞きし、それに合わせて調整しております。
モンブランの「OB」「OBB」は縦線が細く横線が太く書けるように作られております、これにより今までにない筆跡が得られて楽しい表現が出来ます、ただしペンの角度の許容範囲は狭くペン先のカットの角度からがずれると書きづらく感じます、調整の範囲もかなり狭くなります。

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2023/11/04
コラム

【ファーバーカステル】万年筆 クラシックシリーズ

初筆切れとザラツキ直し・インク出調整の依頼です。
ファーバーカステルは久しぶりの調整になります、「B」ポイントで見た目は特に問題ないように見えますが、ペン先の締まり過ぎと最初調整がオーナーの書き癖と合わないことが原因ででした。
調整にはイリジュウムの再研磨とキリ割の調整になります、オーナーの少し左に傾ける癖に合わせて調整しております、これにより少しの捻り・傾けにも十分に対応できるペン先になりました、オーナーの好みに合わせたインク出の調整(筆圧に合わせて)、これで今までの使いにくさは無くなりました。
ただ、調整前も調整後もほとんどイリジュウムの形は変わっておりません、ペン先(イリジュウム)は形の変わるほどに研磨してはいけません、形を変えるのは細字直し、ペンポイントの大きさを変えるペン先の仕立て直しだけになります、常に再調整が出来るように余裕を持たせなければいけません。
せっかくの「B」ポイントの縦横の線の幅の違いを無くすような調整はしません、縦横の線の幅の違いは変化のある楽しい文字が表現出来ます、ただ太いだけの”B”ポイントではなく、さらに”止め・跳ね・はらい”などの豊かな表現が可能になります。
モンブランの「B」ポイントもまさにこの”B”になります。
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2023/11/02
コラム

【モンブラン】万年筆 旧No,146

40年以前のNo,146になります、EFだが太くて細かい文字が書きにくいのでさらに細くしたいとの事です。
写真は修理調整後の物になります、調整前の写真を撮り忘れましたので、仕上げ後の写真のみになります。
お預かりした時は、インクを入れたままでしたので吸入器も動かなく、ペン先もインクがこびり付き赤く変色もしておりました、さらにペン先に少しですが曲がりがあり、ザラツキとインクの出すぎの原因にもなっておりました。
まず時間を掛けて壊さないように分解します、本来首軸は分解出来ませんが此の旧型はやりようによっては、首軸までも外せますので一度全てを分解し古いシール剤を取り除き、新しくシールし直して組み立てます、これでインク漏れは防げます。
次にペン先曲がり直しをし、さらにペン先の細字直しになります、昔のモンブランのEFは太く感じますので手帳のような細い罫線のようなところには書きにくく思うことがります、それを我慢するとストレスになります、速やかにご自身の理想とするペン先調整されることをお勧めします。
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2023/10/31
コラム

【パイロット】万年筆 キャップレス

インク出すぎ・初筆切れの調整依頼です、筆圧がかなり強く相当押さえ書かれておられます、おそらくそれが原因でのペン先の広がり(上に反り上がる)によりインク出が過度に出るようになったもので、さらにイリジュウムの左右のズレによるザラツキがありました。
オーナーは左利きで斜めにペンを構えて押すように筆記されますその為、右利きとはペン先(イリジュウム)の当たりが違ってきます、右利きの場合引くように書くところも押すようにペンを運びますますので、右利きでは感じない引っ掛かりが出たりします。
この様な調整は出来ないと断られることがあるようですが、基本の調整は右も左も変わる事はありませんが、右利きの私には筆運びを想像しながら調整する事になります、そのあたりが少し手間がかかりますか。
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2023/09/12
コラム

【ペリカン】万年筆 M800 ブラック

ペリカンのペン先曲がり直しです。
これも落とされたそうです、筆記中デスクの上に置いたときにあっという間に転がり落ちたとの事、なぜでしょうかやはりペン先を下に落ちます。
けっこう派手に曲がりました、直しの途中で入った傷は少し残りました、この傷は取れますが、完全に取ってしまうとペンの先腰が柔らかくなり過ぎたりしますので、目立たない程度までの磨きに収めることにしました。
このペリカンM800ブラックは当店で数か月前にお求め頂いた物ですので、当然無料修理になります。

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2023/09/09
コラム

【セーラー】万年筆 還暦

落としてしまったそうです、「アット」気付いた時には、ペン先を下に机から落ちてしまったとの事です。

そうなんです、なぜか萬年筆は落ちるときはペン先が下になります、たぶんペン先は金で重いからでしょうか?尻軸から落ちれば損傷も少なくて済みますのに、残念です。

でも、曲がっただけでしたらほとんどは直ります、元の書き味よりも良くなる事もあります。

今回はイリジュウムの際で曲がっておりましたので、直しの途中でペン先が折れる事があります、との了解を得ての曲がり直しになりました、これはイリジュウムと金ペン先の接合部分に目に見えないヒビの在る事あり、ペンチ(専用)で挟むときに折れる事が極まれにあります、残念ですがそのよう時はペン先交換になります。

ですが今回はヒビは無かったようでうまく直しが出来ました。

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