万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2023/09/09
コラム

【セーラー】万年筆 還暦

落としてしまったそうです、「アット」気付いた時には、ペン先を下に机から落ちてしまったとの事です。

そうなんです、なぜか萬年筆は落ちるときはペン先が下になります、たぶんペン先は金で重いからでしょうか?尻軸から落ちれば損傷も少なくて済みますのに、残念です。

でも、曲がっただけでしたらほとんどは直ります、元の書き味よりも良くなる事もあります。

今回はイリジュウムの際で曲がっておりましたので、直しの途中でペン先が折れる事があります、との了解を得ての曲がり直しになりました、これはイリジュウムと金ペン先の接合部分に目に見えないヒビの在る事あり、ペンチ(専用)で挟むときに折れる事が極まれにあります、残念ですがそのよう時はペン先交換になります。

ですが今回はヒビは無かったようでうまく直しが出来ました。

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2023/09/08
コラム

【モンブラン】万年筆 スターウォカー レジン

これは一度ペン先の曲がり直しをした物です、その時はそれで書き味も良くなりそれなりに満足されていたのですが、一年ほどして今度はFが太く感じるようになりペン先を細くしたいとご来店されました。

手帳などの細い罫線に書くようになったり、細かい文字を書く必要になったりと、別に太めの万年筆があるので、このモンブランは細くしようと言うことになったのかもそれません。

こんな時は普通ペン先交換になりますが、新しい細字のペン先交換したからと言って、必ずご自身の思うような太さとは限りません、又書き味も満足の行くものとの保証もありません、ご自身の感性の思うような太さ書き味はやはり、相談しながら調整するのが一番でしょう。

 

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2023/09/04
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 カリグラフィー

依頼は、「筆記中にキリ割にインクが滲みどうしても気になる」と事でした。

3年程前に購入(新品)した当初から、ペン先のきり割に使用するたびにペン先の表面(キリ割に添うように)にインクが滲むのが気になっていたが、12年程使用したら馴染んできて出なくなると言われて使ってきたが改善されず気になるので、その調整をしてほしいとの事での依頼です。

又書き出しのカスレ、ザラツキ・引っ掛かりもあり、どれも我慢して3年使ってきたがいずれも良くならなかったとの事です。

書く度にペン先の表面にインク滲むというのはやはりどこかに不具合が在り、正常ではないと疑うべきと思います、それを数年も我慢して使えと言うのはいかがな物でしょうか?

まずは疑うべきかと思いますが。

今回はやはりペン先にゆがみがありました、おそらくこの歪みがインクの滲みの原因と思われますのでこれを直しました、書き味の悪さも歪みとイリジュウムの際での少しの曲がりが原因でした。

万年筆はどこかに不具合を感じた場合もそのまま我慢して使っていれば、いいずれ良くなると言うような事をまことしやかに言う人がおりますが、万年筆はそのような物ではありません、我慢してストレスを感じながら使う物ではありません、速やかに調整し快適に使うものです、いずれ調整するのであればそれまでの時間が無駄になります。

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2023/09/04
コラム

【モンブラン】万年筆 スターウォカー金クリップ

まだ新品のスターウォーカーです、「F」ペン先をEFくらいにして欲しいとの依頼です。

Fでは自分の好みに合わず、使いづらくて困っていたとの事です。

入手する時はこれで良いかと思い、あるいは“F”しかなくやむなく買ってしまって、やっぱり細字が良いと思い、調整依頼される事が多いようです。

ペン先は書き味が悪い、インク出が思うようでない、やはり細字が良いと思った時は出来るだけ速やかに調整された方が、ストレスを溜めるよりはよいかと思います。

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2023/08/09
コラム

【モンブラン】万年筆 No,12

懐かしいモンブランです、オールドタイマーNo,12黒。

吸入出来ないとの事での修理依頼です、見た所ペン先も少し曲がっておりますのと、天ビスが割れておりました、がそれよりはインクが固着して全く分解できない状態です、吸入器の直しとかペン先の直しと言うよりは、首軸が外れなくてなくては何も出来ません。

何十年もインクを入れたままで放置されてきたようです。

まずオーナーに修理可能かどうかをお知らせする為に分解の必要がありますので、初めの写真は分解した写真になりました。

何せ古い物です5060年位以前に製造中止した物です、部品は一切残っておりません、分解するだけでも破損の可能性があります、分解の途中破損しても修理不可で破損したままでの返却もありますとの了解の元でお引き受けしました。

万年筆に聞くように慎重に、いくつかの方法を何日もかけて試しやっと分解出来ました、たぶん今まで一度も修理調整をした事は無かったのでしょう、すべての部品はオリジナルのままでした、分解さえ出来ればペン先直しも、吸入器の調整も後は簡単ですすぐに直せます、

天ビスの破損の修理は依頼されておりませんが、ここまで再生できればなんとしても、天ビスも交換し完品にしたいと思い、たまたま手持ちの部品が在りましたのでそれを使いました。

 

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2023/08/07
コラム

【モンブラン】万年筆 No,145 ボルドー

モンブラン No,145ボルドーですからひと昔前のモデルになります、ですがほぼ新品同様で、使用した様子がありません、昔お祝いに買ってもらった時に太字を勧められたもののやはり自分には合わなくて、又カスレもあり使わないで本当に長い間しまったままになっていたそうです、しかしこのままではせっかくのモンブランが勿体無いと思い、細字に調整する事にされたそうです。

ペン先の太さは本当に個人の感覚です、人にこの太さが良いと勧められても、あくまでも使うオーナーが決めるべきものです、それはまず好みそしてどの様な使い方をするのか、手帳のような細い罫線に書くことが多いのか、日記、手紙の様に文字の大きさを気にしなくて良いのか、あるいは考えをまとめるために白紙に乱雑に書き殴るのか、それぞれの目的に応じて、ペン先の太さを選べば間違いないのではないかと思います。

そのうちに一つのペン先の太さでは物足りなくなり、違う太さのペン先が欲しくなるものです。

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2023/08/01
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146

書き出しのインク切れと途中のインク切れ直しの依頼です。

今回のインクの出にくい不安定の原因は、ペン先の全体のゆがみとキリ割の締まり過ぎによるものでした。

ペン先のゆがみは誰が使ってもインク出の不安定になりますが、キリ割の締まり過ぎは筆圧との関係もありますので一概に悪いとは言えません、がやはり使いにくいと思います。

今回は、譲られたとの事ですので全オーナーとの書き癖の違いで、インクが出にくかったのでは無いかと思います。

万年筆は個人の書き癖がそのままペン先に付きます、身内であっても書き癖は違いますので、譲られたものは一度調整された方が良いのだろうと思います。

万年筆の貸し借りはいけません、ケチではなく同じ個性が無いように書き癖も一人として同じ人はおりません、自分以外の人が使えば調子がずれる事がります。

 

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2023/08/01
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146

 

落としてペン先を曲げてしまったとの事です、おおかたの筆記具は円く出来ておりますので、ついうっかりと落とすこと多いようです、このような修理もしじゅう持ち込まれます。

万年筆だけではありませんボールペンもメカニカルペンシルも落としたり・ぶつけたりのショックには弱い物です。

どれも結構デリケートに出来ております、ショックは禁物です、もし万が一落としてペン先が曲がった時はご自身で直そうとはせず、すぐに修理出してください、ほぼご自身では直せません、傷が深くなります。

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2023/07/28
コラム

【モンブラン】万年筆 No,145 ボルドー

ペン先曲がり直しとペン先の細字直しを同時に依頼したいとの事でメーカーに出そうとした所、メーカーではペン先交換になるとの事で、細字直しのような対応はメーカーではしてくれないとの事で当店に依頼されました。

この万年筆はNo,145ですがなぜか18金のペン先がついております、このNo,14514金ペン先が標準仕様で、18金ペン先付はありせん(一部外国では販売しております)、オーナーは正規の日本国内の販売店で購入したとの事です。

この状態でメーカーに修理依頼すれば、14金のペン先に交換されてしまうので、此のままの18金ペン先で修理をしたいとの事でした。

なぜ曲がったかとの事ですが、オーナーはご自身でペン先を外して洗うとしたそうです、その時に、グイッとペン先をひねってしまったそうです、曲がりと言うよりは、見た目以上に全体がゆがんでおります。

万年筆を洗うのにペン先を外す必要はありません、又むやみに外してはいけません、万年筆は見た目は単純ですが、その調整バランスは大変デリケートでこれが崩れるとすぐに書き味に影響します、オーナーが出来る手入れはこのようなカートリッジ式ならコンバーターを装填して、コップの水を数回出し入れするだけです、吸入式ならインクを吸入する要領で同じように水を数回(45回位)出し入れしてください、それ以上の事はプロに任せるべきです。

 

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2023/07/28
コラム

【ペリカン】万年筆 エポック 14金ペン先

落としてペン先が曲がってしまったとの事。

メーカーに出したが、古すぎて直しができないと返却されたとの事で当店に持ち込まれました。  ペン先が外れると思って修理を受けたのでしたが、色々と試しましたがなんとしてもペン先が外れませんペン先が外れないと直しが出来ません、困りましたが受けてしまった以上何とかしなければと思い、このまま本体にペン先を取り付けたままで直す事にしました。

だがオーナーは落とした時自分で直そうとしていじってしまいさらに複雑な曲がりになってしまいましたが、途中でこれは無理と思いすぐにあきらめたそうです、正解ですこれ以上ややこしい曲がりになりますと、例えペン先が外れても曲がり直しが出来なくなります。

とにかく見た目の綺麗な上りは次にして、より書き味が良くなるようにとの思いで直しました。

 

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