万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2025/07/19
コラム

【セーラー】万年筆 煤竹

セーラー万年筆の煤竹万年筆の21金ペン先付の長研ぎの物です、かなり高価な物のようです少し以前の製品でしょうか、私は扱ったことがありませんでした。

インクが出ないとの事でお持ちになりました、外見上ペン先がインクで汚れているようには見えませんでしたが、首軸内部でインクが固まって詰まっていると推測しました、又浸けペンでもカスレましたので、オーバーホールだけではなくペン先調整も必要と判断しました。 ペン芯の内部でガッチリ詰まったインクは、オーナーの普段のお手入れだけでは詰まりは解消しません、分解し完全に洗いきらなければ落ちません、意外と手間のかかるものです。

セーラの21金ペン先は柔らかく出来ておりますので、オーナーの書き癖特に筆圧には十分に配慮し調整しなくてなりません。

名前・住所など何度も書いていただきます、初めの数行は参考にしません幾つも書いていると、初めの数行は人前で試し書きしておりますので本来の書き癖でないことがありますが本来の書き癖でない書き方では苦しくなりすぐにいつもの書き癖が出てきます、その書き癖を見ております。

その時の角度・ひねり・筆圧などを観察しそこに合わせるように調整してゆきます、ほぼこれで調整は決まりますが、さらに必要に応じて好みに応じて調整を重ねて行きます。

ただ、送ってこられた場合は、ご自身でわかる範囲で書き癖を書いた物を同封していただいております、出来ればいつも使っている用紙などのサンプルも同封していただいております、書き味は使用する用紙でもかなり変わって来る事があります、インクも然りです、万年筆の書き味は本当に沢山あります、これが正解と言うのがありませんのでいつも手探りになります。

何十万本もペン先調整してきましたが、それでも都度ペン先調整は難しいと感じる事があります、人の個性だけ書き味がありまあす、100%アナログの難しくて楽しい所でしょう。

IMG_5437調整前1-2
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2025/07/11
コラム

【モンブラン】万年筆 オールドタイマー No,74黒//14黒

ずいぶん古い物になります、製造中止になって50年以上になります長い間仕舞われたままになっていたとの事、譲り受けたが書ける状態ではなかったので、何とか使える様にならないかと相談を受けました。

時間は経過しておりますが、見た目はそれ程傷んでいるようには見えませんでした、又部品も欠損している所がありませんこのくらい古い物で部品が揃っているのは珍しいです。

ペン先は曲がっておりますがこれを直せば十分に使えそうです、ただこのタイプには一度分解すると組み立てられない物があります、それは品番も同じで外見も同じですがペンカバーの素材がエボナイトで出来ており、オーリングで止められているものが在ります、このオーリングがハメられなくなります、見た目の外見では全く判断出来ません、首軸を外し中から慎重に見極めなければなりません、今回お持ちになられたものはエボナイトのペンカバーではありませんでしたので、当店で修理調整が可能な物でした。

ですが50年以上も経過しておりますので分解するにしても慎重に作業をしなければなりません、何せかなりの時間が経過しております、どの部分も経年劣化しておりますので、過度な力が加わりますとどこか破損する可能性があります、特にインク詰まりで固まっている状態では決して無理は出来ません、まず時間を掛けてゆっくりと、本当にゆっくりと固まったインクを溶かしながら可動部が少しずつ動くのを確認しながら分解をして行きます。

分解さえ出来れば後は手順したがって慎重に分解し各パーツを洗浄し、ペン先の曲がり直し・書き味・インク出の調整になります、もちろん赤くなったペン先も磨きます、可動部には専用の潤滑剤、ネジ部分はこれも専用のシール剤で組み立てて完成になります。

数十年眠っていたモンブランが甦りました、新たなオーナーの元で書き込みご自身のペン先に育てていかれる事と思いまます。

 

 

 

IMG_5263モンブランNo,74と14調整前-1舩木美帆
IMG_5264修理前-2
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IMG_5274調整後サンプル-74
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2025/06/17
コラム

【大西製作所】万年筆 セルロイド 赤・グレースケルトン

昨年10月にお買い上げいただいた大西製作所のセルロイド製万年筆です、大西製作所は“F”仕様のみになりますが「大サイズ」だけは当店でのみで「M」もお選びいただけます、他店ではありません。

又元よりEFの仕様はありませんので、今回はEFにサイズ調整してほしいとの依頼でした。

オーナーは文筆家でもあり色々な所で取材をされます、その際分厚い特注の専用ノートに色々と書き込みをされます、このノートは書き味がよく長い間使用しなじんでいるとの事で別のノートを使うと言う選択はありません、これまでも他メーカーのいろいろな万年筆を使ってこられたとの事でしたが、当店にセルロイド製の万年筆があると聞きつけご来店頂きました、セルロイド独特の柔らかい手触り、又わずかに薫る?樟脳の匂いが懐かしく感じお求めされました。 

暫らく使用され気になる所が出てきたようです、インク出が多いせいか又ペン先が思っていたより太目に感じる事もあり裏移りがするとの事で調整を依頼されました。   この取材ノートの表ページには取材時に色々と書き込み、のちに裏ページに取材時に書きけれなかった事柄や、気づきやらを書き込む為裏移りがすると多変書き込みにくいと事でお持ちになり、元より少し太目のペン先を細くしたいとの事と同時にインク出も少なめに調整してほしいとの希望でした。

セルロイドの風合いを楽しみながらこれまでに入手した万年筆と共に、取材旅行に原稿書きにと楽しみたいとのと事でした。

万年筆は他の筆記具と違いオーナーの好み書き癖などなど、どの様にも調整可能です、万年筆は金もしくはスティールなどの金属にイリジュウムを取り付けキリ割を入れるだけの単純な構造ですが此の中にこそ奥深い様々なき味を有します、立てる、寝かせる、捻る、筆圧などさらに右利き左利きなど一人として同じ書き癖はありません、さらにそこへ好みが加わります、日々調整をしていても同じ調整はありません、本当に書き癖、好みは千差万別と実感します技術に終わりはないようです。

この万年筆は当店でお求め頂いた物ですのですので全ての調整は無料です。

 

IMG_5387セル赤・調整前-1
IMG_5383セル・グレー調整前-1
調整後サンプル
IMG_5412セル赤とグレー-2
IMG_5400セル赤調整後-2
IMG_5401セル赤調整後-3
IMG_5404セルグレー調整後-1
IMG_5406セルグレー調整後-2
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2025/05/23
コラム

【モンブラン】万年筆 P149 プラチナ

昨年お求め頂いた、モンブラン プラチナP149 Fの細字直しの依頼です。

他にデルタのドルチェビーターのFをお持ちとの事でそのデルタのFよりモンブランのFが太目に感じるのでデルタのF位に合わせてほしいとの事です。

モンブランのEFでは細すぎるのでFEF位の間が良いとの希望でした、現在のモンブランEFはかなり細めに仕上がっておりますので、それでは自分には細すぎる様に感じるのでそこまではしなくてよいとの事でした。  本来ご来店頂いて直接書き癖を見てそれに合わせてその場で調整するのがベストでしょうが、他府県のお客様ですのでメールのやり取りになります、ただメールのやりとりだけではどのあたりが落としどころか、これ位いで良いのか判りづらいので、ご自身の筆跡で希望の太さのサンプルを同封いただき、当店でお求め頂いた時にお聞きしたインク出・角度・左右の傾きなどの個人の好みや書き癖のカルテを保管しておりますのでそのサンプルと合わせて、それを目安に希望の太さに出来るだけ近づける様に調整しました。 

無論この調整は無料対応になります。

ペン先細字直し

  F―――>EFFの間位との希望

インク出調整

書き味調整

オーバーホール

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IMG_5330調整後サンプル
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2025/05/16
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 ローズゴールド

モンブランNo,149 ローズゴールド B、落としてペン先が曲がってしまったとの事、見た目に曲がっていると言う程ではありませんがわずかに上下にズレがある程度ですが書き味は悪いです、ザラツキと引っ掛かりがあります。

曲がり直しと同時に依頼されたのが細くならないかとの相談です、普段から「B」ポイントを太く感じていたので少しでも細くしたいとの事です、あまり細くても使いづらいとの事でしたので、では「M」の少し細目の仕上げではどうでしょうかと提案をしました。

今回は地方からの依頼で、ご来店頂いて直接話を聞いておりませんのでオーナーの感覚がどのあたりにあるのかと言うのは判りませんので、自筆で書いた名前や住所普段から書く文字をいくつか書いた物を同封して頂きました、その上でインク出の好み、筆圧やら角度を自分なりに思い当たる所のメモを付けて

書き味調整
インク出調整
オーバーホール

 

 

 

 

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IMG_5232調整前-2
IMG_5233調整前-3
IMG_5246調整後サンプル
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IMG_5242調整後-3
IMG_5243調整後-4
IMG_5244調整後-5
IMG_5245調整後-6
2025/05/10
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149

 

201210月にお求め頂いたモンブラン No,149ゴールド EFです、それを太く感じるのでさらに細くしたいとの事です、もちろん13年前に販売した物でも、メーカーに出さない修理調整なら無料でさせて頂きます。

多分、あまり使用されてなかったのかのではと思います、ペン先は汚れてますが使用感はありません、このころのモンブランのEFは現在の物と違いイリジュウムに丸みがありずんぐりした感じです、その分現在販売中の物より少し太く感じます、使いづらさを感じられたのかもしれません。

今回は、国産のEFに近い位にサイズダウンしました、もちろん書き味を損なう事無くインク出も潤沢に、オーナーの書き癖に合わせる様にしました。

今回はペン先の細字直しとザラツキ直し・インク出調整・オーバーホールをしてお返ししました。

ペン先細字直し(EF―――>EEF

ザラツキ直し

インク出調整

オーバーホール

 

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IMG_5323調整後サンプル
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2025/05/02
コラム

【モンブラン】万年筆 No,145

インクが出ない、途中切れるとの事で地方から送ってこられました。

確認したところペン先が上下にズレておりインク詰まりもありました、これが原因での不良と判断出来ます。

オーナーは左利きとの事でさらに、捻るように押すように書かれます、右利きとはペンポイントの当たり方が違ってきます、さらに筆圧は強いとの事で、インク出は普通位での調整を希望されてます、無論ヒッカカリやザラツキなどは無いのが当たり前ですので、滑り良く調整しなければなりません。 

基本右利きも左利きも調整は同じですが、ペンポイントの当たり方が少し違いますので、調整には常にそこを意識して直しをします、今回は満足の行く直しになったのではと思います。

IMG_4939調整前-1
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IMG_4988調整後サンプル
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2025/04/24
コラム

【ペリカン】万年筆 M800 緑縞

途中インク切れとの事での調整依頼です、しばらくは書けるのですがだんだんインクが出なくなり薄くなり、やがて全く出なくなると言う物です。

この2か月ほど前にもインクが出ないとの事でお持ちになりましたが、その時はオーバーホールをしてお返ししたのですが、又同じ症状との事でお持ちになられました。

当店で実際筆記テストをした所、やはり原稿用紙三分の一くらいで症状が出てきました。

ペン先を確認しましたが曲がりもズレもありません、見た目にはインク詰まりもありません、原因がよくわかりません、この様な修理調整が本当に難しいものです原因が判れば修理は60%終ってます、時間のかかることもありますが必ず直ります。

今までもこのような依頼はたくさんありましたが、いつも悩みながらこなしてきました、今回もやはり今までの経験を踏まえ考えられる原因を一つづつ潰しながら、結果として上手く直す事が出来ました結果オーライです、でも偶然ではありません。

徐々にインクが出な無くなると言うのは、多分インクと空気の交換がスムーズに出来なかったのかなと思いますが見た目には判りませんので、そこをキッチリとオーバーホールをし、そしてペン先のゆがみの点検と調整、さらにイリジュウムの再研磨で左右ジュウムの調整の後組み立て、実際書いてみて問題のない事を確かめました、時間はかかりますがこれしかないように思います。

この修理調整は当店でお求め頂いた物ですので、当然無料になります。

 

 

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IMG_4899調整前-2
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IMG_4937調整後サンプル
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IMG_4936調整後-4
2025/04/01
コラム

【モンブラン】 万年筆 No,146

つい数十分前(30分ほど前)万年筆を洗い終わり、水気を切ろうとして万年筆を振っていたところ誤ってペンを落としてしまったとの事で、ペン先が曲がってしまったと慌てて持ち込まれました。 写真の様に上に反りかえるように曲がっております酷い曲がりではないようです、これなら比較的簡単に直せると思いましたが、オーナーはついでにとの事で、他にも太字「B」の万年筆があるので、この“M”をペン先の直しのついでに少し細くしたいとの希望がありましたので、“M”を“F”位にサイズ直しをしました。   曲がり直しはすぐにも出来ましたが、細字直しは少々時間がかかります、それでもまた中々来る時間が取れないとの事で辛抱強く店頭でお待ち頂きました。
細字の仕上がり具合、書き味、インク出などの確認をされ「OK」の返事を頂きました。

直し調整は次のような内容になります、ペン先曲がり直し・ペン先細字直し・インク出調整・書き味調整・オーバーホールになります。

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IMG_5281調整後サンプル
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2025/03/25
コラム

【ペリカン】万年筆 M800 緑縞 / M1000緑縞 ペン先細字直し

前回に続きEFのペン先をさらに細くEEFへの、サイズダウンの依頼です。

前回は、モンブランのEFEEFへのサイズ直しでした、今回はペリカンM800M1000EFをさらに細いEEFへの細字直しです。

ペリカンのEFはモンブランのEFより少し太目に調整されております、イリジュウムもずんぐりとした丸みがありボリュウムもあります、縦横と全体を研磨します、又イリジュウムだけではなくペン先の本体から細くしなくては形の悪いペン先なってしまいます、そしてこの時イリジュウムの先端を研磨しはいけません、イリジュウムが短くなっては本当のEEFにはなりませんずんぐりとした見た目の悪いペン先になります、又再調整が出来なくなる可能性があります、イリジュウムは細くしますが、決して短く小さくしませんオーナーの希望によって、さらに細く調整し直さなければならない場合がありますので、出来るだけ余裕を持って調整するようにします。

オーナーの書き癖に合わせ滑り良く、インク出も潤沢に書き味良く細く、でなければ良い調整とは言えません。

当店でお求め頂いた物ですので、無料の調整になります。

 

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IMG_5228済差㎜プルM800
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