セーラー万年筆の煤竹万年筆の21金ペン先付の長研ぎの物です、かなり高価な物のようです少し以前の製品でしょうか、私は扱ったことがありませんでした。
インクが出ないとの事でお持ちになりました、外見上ペン先がインクで汚れているようには見えませんでしたが、首軸内部でインクが固まって詰まっていると推測しました、又浸けペンでもカスレましたので、オーバーホールだけではなくペン先調整も必要と判断しました。 ペン芯の内部でガッチリ詰まったインクは、オーナーの普段のお手入れだけでは詰まりは解消しません、分解し完全に洗いきらなければ落ちません、意外と手間のかかるものです。
セーラの21金ペン先は柔らかく出来ておりますので、オーナーの書き癖特に筆圧には十分に配慮し調整しなくてなりません。
名前・住所など何度も書いていただきます、初めの数行は参考にしません幾つも書いていると、初めの数行は人前で試し書きしておりますので本来の書き癖でないことがありますが本来の書き癖でない書き方では苦しくなりすぐにいつもの書き癖が出てきます、その書き癖を見ております。
その時の角度・ひねり・筆圧などを観察しそこに合わせるように調整してゆきます、ほぼこれで調整は決まりますが、さらに必要に応じて好みに応じて調整を重ねて行きます。
ただ、送ってこられた場合は、ご自身でわかる範囲で書き癖を書いた物を同封していただいております、出来ればいつも使っている用紙などのサンプルも同封していただいております、書き味は使用する用紙でもかなり変わって来る事があります、インクも然りです、万年筆の書き味は本当に沢山あります、これが正解と言うのがありませんのでいつも手探りになります。
何十万本もペン先調整してきましたが、それでも都度ペン先調整は難しいと感じる事があります、人の個性だけ書き味がありまあす、100%アナログの難しくて楽しい所でしょう。