万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2025/10/11
コラム

【大西製作所】万年筆 ガーネット

他店で10年程前に入手した物との事でその店に修理を依頼しましたが、そこでは出来ないと断られたそうです。

どこか修理が出来る所はないだろうかと探していたところ、当店のホームページにたどり付いたとの事です、当店の大西製作所の製品は他店では販売していない当店のみの限定品も沢山掲載しておりますのでそれを見て相談に来られました。

他店購入ですので、もちろん有料修理なりますが当店では出来ますので、修理をお受けしました。

キャップリングの外れでの修理依頼でしたが、修理前の各部分を点検したところペン先にも少しですが腐食があり、クリップ・天ビスの緩みもありました、当店では修理依頼を受けた場合お客さんの指摘以外にも出来る事は全ての修理調整をしてお返しします。

勿論インク出・書き味などのペン先調整も含みます、一人一人個性の分だけ書き味がありますので、人によって一番良い状態は違いますので、出来だけオーナーの好みに合わせられるようにとの思いで調整しております、これは常に一番良い状態で使って頂きたいとの思いからです。

今回は、キャップリングの外れ直し以外にも、腐食のためペン先の交換、ペン先調整・クリップ天ビスの緩み直しをして、お返しいたしました。

IMG_5338調整前-1
IMG_5339調整前-2
IMG_5341調整前-4
IMG_5342調整前-5
IMG_5357調整後サンプル
IMG_5352調整後-1
IMG_5353調整後-2
IMG_5354調整後-3
IMG_5356調整後-5
2025/09/16
コラム

【大西製作所】万年筆 ラピスラズリ(Regular size)細字直し

大西製作所 ラピスラズリ(Regular Size)「F」ポイントを「EF」にサイズ直しの依頼です。

大西製作所のregular Sizeは「F」ポイントの販売になりますので、細くするにはペン先を細字直しするしかありません、細字直しはオーナーの希望の太さにまで細く出来ます、もともと“F”と言えそれほど太くありませんが、オーナーは普段使いとして罫線の細い手帳に書き込むためにお求め頂いたものですので今回の調整になりました。

お求め頂いてから2か月ほど使っておられましたが、狭い罫線に画数の多い漢字を書くと潰れるとの事で出来るだけ細くしてほしと依頼がありました、細くしてもザラツキや引っ掛かりはありません、インクは切れる事なくスラスラ書け無くては、細くした意味はありません。
調整前の写真を撮り忘れましたので、この写真は調整後の写真になります。

IMG_5508調整後-1
IMG_5509調整後-2
IMG_5510調整後-3
IMG_5511調整後-4
IMG_5512調整後-5
IMG_5513調整後-6
IMG_5514調整後サンプル
2025/08/08
コラム

【ペリカン】M800 ペン先細字直し

ペリカンM800緑縞 Fのペン先が太く感じ少々使いずらく思うとの事で、細くしてほしいと依頼されました。  確かに外国製の万年筆は同じ表示でも国産に比べれば少し太く感じる事は多くあります、このペン先の表示は各メーカーの独自の基準によるもので、同一の基準と言う物はありませんが、おのずと細字はこの位中字はこの位と言うところはあると思います、よって各メーカーを比べてみても、同じ表示出あれば極端な違いはありません、ですがこの僅かな違いが意外と気になるもので、毎日書き物をしているともう少し細目だったらと思うと、そうです完全に細くではなくほんの少し細ければ、もう少しインク出が少なければとか、この角度がちょっとだけ気なるとか、こう言うほんのわずかな事柄が毎日使うだんに於いてストレスになって行きます。

こうなるといかに高価な万年筆でもだんだんに億劫になって行き、いつの日か引き出しに入ったままになる事があります。

万年筆ほど個性的な道具は無いだろうと思います、同じ万年筆でも使う人によって全く感じ方が違ってきます、ペン先の太さ・インクの出方・方向による書き味等々、これはオーナーの個性によるものでそれが良いとか悪いとかではありません、ご自身の書き味を追求する事で本当に心地の良い筆記具になります、もうボールペンには戻れんません、スラスラとヌラヌラとインクが出てかすれる事もなく気持ちよく書ける万年筆、このような気持ちの良い万年筆を一度手にすればもう離せません、ご自身の書き味を追求してください。

今回は、細字に調整するにあたり以前細字直しをしたモンブランをサンプルとしてお持ちいただきましたのでとても参考になりました。

IMG_5516調整前-1
IMG_5517調整前-2
IMG_5518調整前-3
IMG_5521調整前サンプル-2
IMG_5529調整後サンプル-2
IMG_5523調整後-1
IMG_5524調整後-2
IMG_5525調整後-3
IMG_5527調整後-5
2025/07/19
コラム

【セーラー】万年筆 煤竹

セーラー万年筆の煤竹万年筆の21金ペン先付の長研ぎの物です、かなり高価な物のようです少し以前の製品でしょうか、私は扱ったことがありませんでした。

インクが出ないとの事でお持ちになりました、外見上ペン先がインクで汚れているようには見えませんでしたが、首軸内部でインクが固まって詰まっていると推測しました、又浸けペンでもカスレましたので、オーバーホールだけではなくペン先調整も必要と判断しました。 ペン芯の内部でガッチリ詰まったインクは、オーナーの普段のお手入れだけでは詰まりは解消しません、分解し完全に洗いきらなければ落ちません、意外と手間のかかるものです。

セーラの21金ペン先は柔らかく出来ておりますので、オーナーの書き癖特に筆圧には十分に配慮し調整しなくてなりません。

名前・住所など何度も書いていただきます、初めの数行は参考にしません幾つも書いていると、初めの数行は人前で試し書きしておりますので本来の書き癖でないことがありますが本来の書き癖でない書き方では苦しくなりすぐにいつもの書き癖が出てきます、その書き癖を見ております。

その時の角度・ひねり・筆圧などを観察しそこに合わせるように調整してゆきます、ほぼこれで調整は決まりますが、さらに必要に応じて好みに応じて調整を重ねて行きます。

ただ、送ってこられた場合は、ご自身でわかる範囲で書き癖を書いた物を同封していただいております、出来ればいつも使っている用紙などのサンプルも同封していただいております、書き味は使用する用紙でもかなり変わって来る事があります、インクも然りです、万年筆の書き味は本当に沢山あります、これが正解と言うのがありませんのでいつも手探りになります。

何十万本もペン先調整してきましたが、それでも都度ペン先調整は難しいと感じる事があります、人の個性だけ書き味がありまあす、100%アナログの難しくて楽しい所でしょう。

IMG_5437調整前1-2
IMG_5438調整前-2
IMG_5439調整前-3
IMG_5440調整前-4
IMG_5441調整前-5
IMG_5444調整後-1
IMG_5444調整後-1
IMG_5445調整後-2
IMG_5447調整後3-2
2025/07/11
コラム

【モンブラン】万年筆 オールドタイマー No,74黒//14黒

ずいぶん古い物になります、製造中止になって50年以上になります長い間仕舞われたままになっていたとの事、譲り受けたが書ける状態ではなかったので、何とか使える様にならないかと相談を受けました。

時間は経過しておりますが、見た目はそれ程傷んでいるようには見えませんでした、又部品も欠損している所がありませんこのくらい古い物で部品が揃っているのは珍しいです。

ペン先は曲がっておりますがこれを直せば十分に使えそうです、ただこのタイプには一度分解すると組み立てられない物があります、それは品番も同じで外見も同じですがペンカバーの素材がエボナイトで出来ており、オーリングで止められているものが在ります、このオーリングがハメられなくなります、見た目の外見では全く判断出来ません、首軸を外し中から慎重に見極めなければなりません、今回お持ちになられたものはエボナイトのペンカバーではありませんでしたので、当店で修理調整が可能な物でした。

ですが50年以上も経過しておりますので分解するにしても慎重に作業をしなければなりません、何せかなりの時間が経過しております、どの部分も経年劣化しておりますので、過度な力が加わりますとどこか破損する可能性があります、特にインク詰まりで固まっている状態では決して無理は出来ません、まず時間を掛けてゆっくりと、本当にゆっくりと固まったインクを溶かしながら可動部が少しずつ動くのを確認しながら分解をして行きます。

分解さえ出来れば後は手順したがって慎重に分解し各パーツを洗浄し、ペン先の曲がり直し・書き味・インク出の調整になります、もちろん赤くなったペン先も磨きます、可動部には専用の潤滑剤、ネジ部分はこれも専用のシール剤で組み立てて完成になります。

数十年眠っていたモンブランが甦りました、新たなオーナーの元で書き込みご自身のペン先に育てていかれる事と思いまます。

 

 

 

IMG_5263モンブランNo,74と14調整前-1舩木美帆
IMG_5264修理前-2
IMG_5266修理前-4
IMG_5274調整後サンプル-74
IMG_5275調整後サンプル-14
IMG_5269調整後-1
IMG_5270調整後-2
IMG_5271調整後-3
IMG_5273調整後-4-2
2025/06/17
コラム

【大西製作所】万年筆 セルロイド 赤・グレースケルトン

昨年10月にお買い上げいただいた大西製作所のセルロイド製万年筆です、大西製作所は“F”仕様のみになりますが「大サイズ」だけは当店でのみで「M」もお選びいただけます、他店ではありません。

又元よりEFの仕様はありませんので、今回はEFにサイズ調整してほしいとの依頼でした。

オーナーは文筆家でもあり色々な所で取材をされます、その際分厚い特注の専用ノートに色々と書き込みをされます、このノートは書き味がよく長い間使用しなじんでいるとの事で別のノートを使うと言う選択はありません、これまでも他メーカーのいろいろな万年筆を使ってこられたとの事でしたが、当店にセルロイド製の万年筆があると聞きつけご来店頂きました、セルロイド独特の柔らかい手触り、又わずかに薫る?樟脳の匂いが懐かしく感じお求めされました。 

暫らく使用され気になる所が出てきたようです、インク出が多いせいか又ペン先が思っていたより太目に感じる事もあり裏移りがするとの事で調整を依頼されました。   この取材ノートの表ページには取材時に色々と書き込み、のちに裏ページに取材時に書きけれなかった事柄や、気づきやらを書き込む為裏移りがすると多変書き込みにくいと事でお持ちになり、元より少し太目のペン先を細くしたいとの事と同時にインク出も少なめに調整してほしいとの希望でした。

セルロイドの風合いを楽しみながらこれまでに入手した万年筆と共に、取材旅行に原稿書きにと楽しみたいとのと事でした。

万年筆は他の筆記具と違いオーナーの好み書き癖などなど、どの様にも調整可能です、万年筆は金もしくはスティールなどの金属にイリジュウムを取り付けキリ割を入れるだけの単純な構造ですが此の中にこそ奥深い様々なき味を有します、立てる、寝かせる、捻る、筆圧などさらに右利き左利きなど一人として同じ書き癖はありません、さらにそこへ好みが加わります、日々調整をしていても同じ調整はありません、本当に書き癖、好みは千差万別と実感します技術に終わりはないようです。

この万年筆は当店でお求め頂いた物ですのですので全ての調整は無料です。

 

IMG_5387セル赤・調整前-1
IMG_5383セル・グレー調整前-1
調整後サンプル
IMG_5412セル赤とグレー-2
IMG_5400セル赤調整後-2
IMG_5401セル赤調整後-3
IMG_5404セルグレー調整後-1
IMG_5406セルグレー調整後-2
IMG_5410セル赤とグレー-1
2025/05/23
コラム

【モンブラン】万年筆 P149 プラチナ

昨年お求め頂いた、モンブラン プラチナP149 Fの細字直しの依頼です。

他にデルタのドルチェビーターのFをお持ちとの事でそのデルタのFよりモンブランのFが太目に感じるのでデルタのF位に合わせてほしいとの事です。

モンブランのEFでは細すぎるのでFEF位の間が良いとの希望でした、現在のモンブランEFはかなり細めに仕上がっておりますので、それでは自分には細すぎる様に感じるのでそこまではしなくてよいとの事でした。  本来ご来店頂いて直接書き癖を見てそれに合わせてその場で調整するのがベストでしょうが、他府県のお客様ですのでメールのやり取りになります、ただメールのやりとりだけではどのあたりが落としどころか、これ位いで良いのか判りづらいので、ご自身の筆跡で希望の太さのサンプルを同封いただき、当店でお求め頂いた時にお聞きしたインク出・角度・左右の傾きなどの個人の好みや書き癖のカルテを保管しておりますのでそのサンプルと合わせて、それを目安に希望の太さに出来るだけ近づける様に調整しました。 

無論この調整は無料対応になります。

ペン先細字直し

  F―――>EFFの間位との希望

インク出調整

書き味調整

オーバーホール

IMG_5307調整前-1
IMG_5308調整前-2
IMG_5309調整前-3
IMG_5330調整後サンプル
IMG_5325調整後-1
IMG_5326調整後-2
IMG_5327調整後-3
IMG_5328調整後-4
IMG_5329調整後-5
2025/05/16
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 ローズゴールド

モンブランNo,149 ローズゴールド B、落としてペン先が曲がってしまったとの事、見た目に曲がっていると言う程ではありませんがわずかに上下にズレがある程度ですが書き味は悪いです、ザラツキと引っ掛かりがあります。

曲がり直しと同時に依頼されたのが細くならないかとの相談です、普段から「B」ポイントを太く感じていたので少しでも細くしたいとの事です、あまり細くても使いづらいとの事でしたので、では「M」の少し細目の仕上げではどうでしょうかと提案をしました。

今回は地方からの依頼で、ご来店頂いて直接話を聞いておりませんのでオーナーの感覚がどのあたりにあるのかと言うのは判りませんので、自筆で書いた名前や住所普段から書く文字をいくつか書いた物を同封して頂きました、その上でインク出の好み、筆圧やら角度を自分なりに思い当たる所のメモを付けて

書き味調整
インク出調整
オーバーホール

 

 

 

 

IMG_5231調整前-1
IMG_5232調整前-2
IMG_5233調整前-3
IMG_5246調整後サンプル
IMG_5241調整後-2
IMG_5242調整後-3
IMG_5243調整後-4
IMG_5244調整後-5
IMG_5245調整後-6
2025/05/10
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149

 

201210月にお求め頂いたモンブラン No,149ゴールド EFです、それを太く感じるのでさらに細くしたいとの事です、もちろん13年前に販売した物でも、メーカーに出さない修理調整なら無料でさせて頂きます。

多分、あまり使用されてなかったのかのではと思います、ペン先は汚れてますが使用感はありません、このころのモンブランのEFは現在の物と違いイリジュウムに丸みがありずんぐりした感じです、その分現在販売中の物より少し太く感じます、使いづらさを感じられたのかもしれません。

今回は、国産のEFに近い位にサイズダウンしました、もちろん書き味を損なう事無くインク出も潤沢に、オーナーの書き癖に合わせる様にしました。

今回はペン先の細字直しとザラツキ直し・インク出調整・オーバーホールをしてお返ししました。

ペン先細字直し(EF―――>EEF

ザラツキ直し

インク出調整

オーバーホール

 

IMG_5313調整前-1
IMG_5314調整前-2
IMG_5315調整前-3
IMG_5323調整後サンプル
IMG_5319調整後-1
IMG_5320調整後-2
IMG_5321調整後-3
IMG_5321調整後-3
IMG_5322調整後-4
2025/05/02
コラム

【モンブラン】万年筆 No,145

インクが出ない、途中切れるとの事で地方から送ってこられました。

確認したところペン先が上下にズレておりインク詰まりもありました、これが原因での不良と判断出来ます。

オーナーは左利きとの事でさらに、捻るように押すように書かれます、右利きとはペンポイントの当たり方が違ってきます、さらに筆圧は強いとの事で、インク出は普通位での調整を希望されてます、無論ヒッカカリやザラツキなどは無いのが当たり前ですので、滑り良く調整しなければなりません。 

基本右利きも左利きも調整は同じですが、ペンポイントの当たり方が少し違いますので、調整には常にそこを意識して直しをします、今回は満足の行く直しになったのではと思います。

IMG_4939調整前-1
IMG_4940調整前-2
IMG_4941調整前-3
IMG_4942調整前-4
IMG_4988調整後サンプル
IMG_4983調整後-1
IMG_4984調整後-2
IMG_4985調整後-3
IMG_4987調整後-5
1 2 3 4 5

Page Top