万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2024/09/07
コラム

【ペリカン】万年筆 M800 緑縞

昨年にお求め頂いたペリカンM800緑縞「F」です、Fでお求め頂いたのですが半年ほど使って見た所、もう少し細い方が良いとの事で、細字直しでEFに近付ける調整をしました

それからはちょうど良いペン先になったと喜んでおられたのですが、ちょっとした手違いで落としてしまってペン先が大きく下に向かって曲がってしまったとの事でお持ちになりました。

なぜか万年筆は落ちるときにペン先を下に向けて落ちる事が多いように感じます、金が重いからでしょうか?ピストンガイドも金属で出来ているのですが、やはりなぜかペン先が下に向いて落ちるようです、今回もその法則?に従って落ちたようです。

メーカーに出せば間違いなくペン先交換になるでしょうが、ペン先は折れたりヒビが入ってない限り曲がり直しが出来る場合があります、今回はギリギリでペン先曲がり直しが出来ましたので、元の書き味に戻すことが出来ましたこれでこれからも長くご使用いただけることでしょう。  歴史あるペリカンきちんと手入れすれば次の世代までも伝えることが出来ます。  

これは当店でお求め頂いた物ですので無料になります。 

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2024/09/04
コラム

【モンブラン】万年筆 No,P149 M

当店でお求め頂いたモンブランNo,P149 「M」ポイントです、ご購入時の試し書きでは問題なく滑りも良く書き味も良かったのですが、しばらく使っていると始終ではなく時折書き出しの出ない事があった為、ネットで検索したところ暫らく使っていると良くなるとの書き込みがあったので我慢して使っていたが、ストレスになり気になるとの事で調整に来られました。

原因はわずかですがキリ割の内側の研磨と書き癖が合わなかったのが原因でした、始終ではなく時おりの初筆切れですので、購入時の試し書きでは判らなかったのです。

名前やら住所など何度かお書き頂きその書き癖を見て、インク出などの希望をお聞きし調整する事で、このストレスから解放されます。

万年筆はキッチリと調整すればこれほど快適な筆記具はありません、ですが調整しけれてない萬年筆ほどまたストレスを感じる物はありません、オーナーの書き癖と好みに合わせてこそ本当に良い万年筆になります。

勿論、このNo,P149は当店でお求め頂いた物ですので無料になります、今後何年経っても何度でも当店出来る事は無料です。

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2024/08/30
コラム

【ウオータマン】万年筆  カレンデラックス

 ウオータマン カレンのペン先直し調整はペン先を外すことが出来ませんので、首軸ごとの交換が基本修理になります、これもメーカーへ出したのですがペン先がセットされた首軸ごとの交換になるとわれ、何とかペン先曲がり直しだけ出来ないかと相談に来られました。

カレンはペン先を外すことは出来ませんので、曲がり直しは出来ません、それでも今まではわずかなずれや、少しの曲がり直しの依頼は何度かお受けしましたが、ここまで曲がっておりますととても無理だろうとお断わりしたのですが、途中折れても構わないので一度挑戦してほしいとの事でしたので、それならばとの事でお受けしました。

とりあえず書ける事をとの思いで直しました、ペン先が外れれば綺麗に直せるのですが、首軸から外せませんので、やはり完全な形直しは無理でしたが見た目にはわからないくらいには直りましたのでまた長くご使用いただけるだろうと思います。

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2024/08/24
コラム

【モンブラン】万年筆 No,32

 モンブラン オールドタイマー「No,32 ブラック」たぶん50年以前の物になります、このNo,3214金ペン先になりますが、まったく同じ仕様で別にペン先がスチールペン先になるNo,31と言う品番がありました。  ペン先に「585」と刻印があるものがNo,32になりますこのNo,3231には軸の色が4色ありました、バーガンディレッド/グリーン/グレーとこのブラックです、さらP32と言うカートリッジタイプの物もありましたが、これは数が少なく今では見る事がほとんどありません、かなりレアな物になります。

これは長年の使用による経年劣化で首軸にヒビが入ったようです、メーカーでは部品はありませんので修理出来ません、当店にも新しい部品はありませんが手持ちのパーツがりましたのでそれを使用しての修理は可能でした、オーナーは気づいておられませんでしたがペン先にも曲がりありましたので、これも曲がり直しをしインク出調整・書き味の調整をしてお返ししました。

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2024/08/20
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149/No,114 ペン先調整

No,149No,114(モーツアルト)共にFペン先をEFへの細字仕立て直しになります。

携帯して手帳などに書き込むことを主な用途として開発されたであろう、モーツアルトは“F”からの販売になりますので、罫線の細い手帳には少しペンは先太く感じます、画数の多い漢字を56ミリ位の罫線では潰れてしまいがちになりますので、当店にもこのモーツアルト「F」の細字直しの依頼は結構あります、ただこのモーツアルトは現在販売しておりませんので以前より少なくなりました。

依頼はNo,114は手帳専用にするので出来るだけ細くしてほしいとの依頼で、同時に長年使っていたNo,149F」も細くしてほしいとの事ですがこれは持ち歩かないのでそこまで細くしなくてよとの事で、モーツアルトほど細くしないでそれより少し太目にという依頼でした。 多変微妙で難しい依頼でしたが狙いどうりの仕上がりになったと思います。

 

 

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2024/08/07
コラム

【モンブラン】万年筆 P146

モンブラン P146 Fポイントのインク出調整の依頼ですインクを吸入中にペン先を痛めたとの事です。          今まで潤沢に出ていたインク出が少なくなってしまったとの事です、見た所何処と言って悪いところはないようですが確かにインク出は少なくなっております。
この万年筆は当店で販売した物ですので、販売時にはオーナーのご希望で多めのインク出と滑らかな書き味をとの希望で、オーナーの書き癖、利き手・ペン先の向き・角度・筆圧・インク出の好みなどをお聞きし調整して販売したものです、調子よく快適に使えていたものがインクを吸入するときに誤ってペン先を痛めてしまったとの事です。   見た目にはわからないですが分解したところわずかに全体にゆがみがありました、それとペン先の締まり(キリ割)もありまあしたのでこれらの微調整をし組み立て直し、イリジュウムの磨きでまた元のオーナーの希望に沿ったペン先に仕上がりました。
当店で販売した物ですので当然無料のペン先直し調整になります。
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2024/07/31
コラム

【モンブラン】万年筆 75周年マイスターシュテックコレクション ルグランNo,146

モンブラン マイスターシュテュック発売75年を記念して、1999年に発売されたモデルです、今年は同100周年ですので、25年前になります、それにしては綺麗に保存されていたようです、たぶんほとんど使用されてなかったのではと思われます。

依頼品は”エディション1924”のシリーズになります。主に手帳の書き込みに使いたいとの事で、出来るだけ細くしたいとの希望でした、又吸入器も動かしていなかった為、かなり重くスムーズに吸入出来ない状態でした。

FポイントをEFまでに細字直しをし、引っ掛かりザラツキなど無いように、又インク出もオーナーの希望通りの調整をしております。イリジュウムだけを小さくするのではなくペン先全体をEFにすることにより、見た目も美しく書き込んでも太くなりません、本来のEFのペン先の形になります、吸入器も分解しオーバーホールをしておりますので、新品の様にスムーズに吸入出来るようになりました。

この75周年の記念モデルは「マイスターシュテュックコレクション」と「マイスターシュテュック ソリテールコレクション」との2系統のコレクションがありました、マイスターシュテュックコレクションには生産本数75本限定の“エディション75”と生産本数1924本限定の“エディション1924”とさらに本数限定ではなく期間限定として1999年中のみ販売の“スペシャルアニバーサーサリーエディション”として販売されました。

マイスターシュテュックコレクションの”エディション75として発売されたNo,149の万年筆は、キャップ・胴軸などスケルトンで各部品には作家のサインが入っており、発売価格は¥3.500.000でした、確か日本には1本入荷した記憶があります(定かではありません)本当に綺麗で美しい物でした、この時“マイスターシュティックソリテールコレクション”には時計もあり、これもスケルトンでしたが、万年筆より安く¥3.200.000でした。

マイスターシュテュック・ソリテールコレクションには筆記具以外にも、カフリンクス・タイチェーンなどのジュエリー製品などもありました、筆記具はソリテールですので、キャップはシルバー製ですソリテールコレクションは全27アイテムになります。

マイスターシュテックコレクションには、ジュエリーはありません、筆記具とレザー製品になります。

マイスターシュテックコレクションの中の“エディション75”の筆記具は先ほどのスケルトンのNo,149のみで他はレザー製品になります、ブリーフケース¥780.000、ポートフォリオ¥650.000、名刺入れ・キーケース・ノートブック・オルガナイザーなどになります、このシリーズのレザーは「オーストリッチ」になります。

“エディション1924”にはNo,149110.000No,14682.000No,14565.000No,11465.000などの万年筆と、No,161164116のボールペン、No,162163のローラーボールペン、さらにメカニカルペンシルのNo,165117があります、レザー製品にはペンケース、名刺入れ、キーケース、ノートブックなどがあり素材は「ラムスキン」です、

ペン先は18金ペン先にキャップ上部のリングにPassionの刻印にダイヤモンドのアクセントを装填、天ビスのモンブランマークは真珠母貝を使用、ペン先は特別デザインで“75YEARS”と刻印され、クリップやリングなどは18金ローズゴールド仕上げになります。

“スペシャルアニバーサルエディション“は年間限定で1999年中の販売になり、このコレクションは筆記具のみの発売になります。  No,14987.000/No,14665.000/No,147(トラベラー)¥76.000/No,14552.000/No,11446.000などがあり、これ以外にボーペン・ローラーボールペン・メカニカルペンシルなどがありました。

 

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2024/07/10
コラム

【ペリカン】万年筆 スーベレーン M400 ミドリ縞&バーガンディレッド

M400

   ペン先細字直し M---F位に(細目)

   書き味調整

   インク出調整

   クリップ緩み直し

   オーバーホール

 

M400バーガンディレッド 

   ペン先ズレ直し  

   書き味調整

   インク出調整

   オーバーホール

 

ペリカン M400の緑縞とバーガンディレッドの2本の調整依頼です、この2本は当店で緑は20169月にお求め頂いたもので、バーガンディレッドは202012月にお求め頂いた物です、共にメーカーに出さない修理調整ですので無料になります。

M400緑はペン先の細字直しで M―――>F・少し細目に仕上げ、天ビスの緩み直し

    書き味/インク出の調整・オーバーホール。

M”でお求め頂いたのですが、手帳など細かいところに書き込むことが多くなりMでは使いづらく感じるようになったので細くしたいとの依頼ですが、EFでは細すぎるのでFより少し細目が良いとの依頼でした。

M400バーガンディレッドはオーバーホールの依頼です。

    分解調整の途中でペン先のズレがありましたのでこの調整もしました、これはお預かりした時には、オーナーからの依頼がありませんでしたが、

ザラツキと引っ掛かりがありましたので調整しました、しばらくお使いではありませんでしたので気が付かなったのだと思います。

 

 

  

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2024/06/10
コラム

【クロス】万年筆 タウンゼント ラピスラズリ

最近、比較的安価な萬年筆を手に入れたので、書き物をしていた所万年筆は楽しいと言う事に改めて気づいたとの事で、そこで昔に(20年位前)入手したがいつの日か使わなくなり引き出しの肥やしになっていたクロスの万年筆を思い出し、取り出して書いてみようとした所20年前にインク入れたままになっておりペン先はカラカラに乾燥しており全く書ける状態ではなく、漬けペンで書くとペン先も太く(M)今の自分には合わないと思い、オーバーホールと共にペン先を細字(EF位)に仕立て直そうと修理調整にご来店になられました。

確かに、ペン先・ペン芯は勿論の事差し込んだままになっていたカートリッジの中に残っているインクまでも固まっている状態で、急いで分解しようとすると壊してしまいます。
クロスは今修理に出しても部品が無いなどの理由で、修理が出来ないとかで返って来ることが多く、まずはゆっくりとインクを溶かし分解出来る所まで持ってゆかなくては何も始まりません。

オーナーはご自身では出来る事はないようだと何もせずそのまま持ち込まれました、これが正解ですインクが詰まっているだけで破損した所はありません、 手間ひまはかかりますがオーバーホールで充分使用できるようになります、後はペン先の細字直し・インク出調整・書き味の調整・ペン先・軸の磨きで高級筆記具の良さを十分に味わう事が出来るでしょう。

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2024/05/23
コラム

【モンブラン】万年筆 オールドタイマー No,34/32

二本ともモンブランの旧型で50年程前には製造中止になっております、故人の思い出の物ので是非とも再生してほしい、使えなくとも綺麗にして保存して置きたいとの事での依頼でした。

お預かりした時はインク詰まりがひどく、まったく吸入器(尻軸)が動きませんでした、又全体に汚れもありどこかにヒビが在っても判らない状態でした、メーカーにも断れたとの事でしたので正直再生は難しいだろうと思いその様にお伝えしましたが、かなりの思い入れがありストーリーをお聞きしているうちに、断る事が出来ずに引き受ける事になりました。

ただし、50年以前の代物です、どんなに慎重に扱っても分解途中で破損すことがあります、その時は破損した状態でお返しすることになりますが、との了解の元で受ける事になりました。

この二桁番号の初期モデルには一度分解すると二度と組み立てられない物があります(ほぼ無いのですが極まれにあります)、外見では判らないので慎重に判断しなければなりません、幸いこの二本は分解出来る物でしたとにかくインクを入れたままで数十年放置されておりますので、まずはたっぷりの時間を掛けて固まっているインクを溶かさなくてはなりません、やっと分解出来る所まで来て再度細部の点検をしました所、ほったらかしになっていたのが良かったのでしょう、無理に吸入器(尻軸)を回さなかったので軸の内部は綺麗な状態でした、又胴軸・首軸などにもクラックが無く吸入器も支障なく回る状態でした、ここまでくれば後は簡単ですペン先の曲がり直しをして、書き味・インク出調整し仕上げにペン先と軸の磨きで完成です。

 

 

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