2022年6月国内販売450本の限定生産品「トータスシェルブラック・M605」のインク出不良の調整依頼です。
綺麗な万年筆です、海外製品はデザインに個性があり綺麗な物が多いように感じます、メーカーのロゴを見なくてもひと目でブランドが判ります、デザインそのものがステータスになるように思います、もちろんこのペリカンもひと目でスベーレーンと判ります、このような美しい筆記具は何やら書く度に嬉しくなり、書いてみたくて無駄に書いてしまう事があります、しかし見た目が美しくても筆記具である以上、自信の書き癖に合わなくては使いづらい物になります、やがては引き出しの肥やしにもなってしまいます。
100%アナログの万年筆、人はあれこれと言いますが、こと書き癖に関してはご自身の書き味を追求すべきです、他の人には良い書き味でも必ず自分が使いやすいとは限りません。
右利きもあればサウスポーもあります、左利きではペン先の当たる角度が全く違います、インクの出も多め少な目、これも人によって同じインク出でも感じ方は違います、たっぷりのインク出で少し文字は潰れても構わないと言う人、いいや擦れるぐらいがちょうど良いと言う人、ペン先に近い方を持つ、軸の中ほどを持つ、筆圧も全く違います、ペン先に近い方を持つ人は比較的筆圧は強めで小さめの文字を書く人が多いようです、ペン先から離れて持つ人は弱めの筆圧で大き目の文字を書く人が多いように見られます。
ペンの角度や捻り具合も様々でそれぞれの調整があります、ペン先の滑り具合、ヌラヌラとした書き味を求める人、あるいは極わずかに抵抗を求める人、ザラツキ・引っ掛かりではありません、これは書いている実感が欲しいと言う方が稀におられます、本当に難しい注文ですが、オーナーにとってはこれが心地よい書き味になるのです。
今回はそれほど悪い書き味ではありませんが、角度によってカスレが出るとの事でした、オーナーはヌラヌラとした多めのインク出が好みでした。
右利きで、筆圧は弱目で寝かせるように持ち、ペン先はほゞ真っすぐに持って書かれる人でした、書く時にキリ割が極わずかに開き気味になるように、イリジュウムを左右均等に研磨(磨く程度です)しました、仕上がったペン先は見た目にほぼ変化はありませんが、これで書き味はうんと良くなります。


























































































