今日は、大変珍しいまた懐かしい万年筆のペン先調整の依頼がありました。
「ロレンツィオ・デ・メディチ」モンブランが初めて発売した、パトロンシリーズです1992年に世界で4810本の限定生産です、925スターリングシルバー製で8人の熟練工芸家によって手彫りの彫刻が施されております、8人それぞれぞれの個性がある彫刻で少しずつ違いがあり、必ず作家のサインが彫刻されております(写真後ろから2枚目)、鋭い鑿(ノミ)後、純銀の手触りそのどれをとっても見飽きる事はありません。
今回は久しぶりに手にする「ロレンツィオ・デ・メディチ」分解しオーバーホールをしながら、ペン先調整しておりますと何やら楽しくなってきました、本物の手触りは優しくてほっこりするものです。
この「ロレンツィオ・デ・メディチ」はインク出と書き味の調整依頼です、試し書きしたところそれ程悪い書き味ではありません、またインク出も若干多いかと思うくらいですが、オーナーはこの少しが気になるようです、そうです万年筆はこの僅かな違和感が気になります、人がどうかでは無く自分がどうしたいかと言う事です、一旦気になると筆記するたびにそこに意識が行き、書く度にだんだん億劫になって行きます、こうなれば如何に高価な物でも使えなくなります。
万年筆ほど人に添う物はありません、書き込むほどにペン先が馴染みオーナーの癖が付いてゆきます、ここになるまでにはかなり時間が掛かります、それまで我慢をしろと言うのではありません、ストレスを感じないまでに調整する事をお勧めします、キッチリと自身に合う調整された万年筆はそこからのスタートになります。


























































































