1992年、最初の作家シリーズの作品になります、「アーネスト・ヘミングウェイ」万年筆20.000本/ボールペン30.000本が発売されました。
No,149サイズのペン先を使用た限定品は、4年後に発売されたアレキサンドル・デュマの2本だけになります、ただしペン先はこのヘミングウェイ用に手作業でカットされた専用のペン先になります、デュマのペン先はデザインが一部変わっております。
コーラルレッドの胴軸と古典的なゴールドプレートのクリップが付いたダークブラウンのキャップは、1930年代のモンブランの万年筆を偲ばせるデザインで大変人気があり、発売終了後も人気が上がり発売時の何倍もの金額で取引されました。
今までに何本ものデュマを調整して来ましたが、久しぶりに手にするデュマはやはり落ち着きがありしっくりと手に馴染み、古典的なデザインながら古さを感じさせないさすがモンブランと感心させられます、いい万年筆です。
インクが出ないとの依頼です、最近入手されたと事ですが当初より全く出ないそうです。
到着して試筆をしましたが、本当に書ません当初はインク詰まりかと疑い、漬けペンで書いてみましたがやはりインクが出ません、かなりの筆圧を掛けてやっと少しインクが出るようです、原因はペン先の締まり過ぎです、ここまでキリ割が締まっているのも珍しいです。
まずすべてを分解しオーバーホールをします、次にペン先全体にゆがみがありましたので型直しをします、そしてキリ割の調整とインク出の調整、ペン先が赤く変色しておりますので磨き、試筆の結果ザラツがありましたのでイリジュウムの再研磨となります、これでこれから長く快適にご使用いただけます