万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2023/02/03
コラム

【ペリカン】万年筆 特別生産品 40 YEARS OF SOUVERÄN

昨年末販売された限定ですが、書き味はそこそこ良いとの事ですがもっと良く(滑らかに)してほしいのと、時折カスレが出るとの事での依頼です。

書き味はそれなりに良いと思えますが、さらに良くしてくれとの事、丸を書いたときに一部カスレが出ることがあるとの事、調整の必要なレベルかな?と思いましたが、オーナーは気になるとの事、あくまでも書き味はオーナーの感覚、100%アナログの筆記具です、オーナーの気に入らない所を調整してこそ本物になるように思います。

今回は、この微妙な調整をどのように調整してよいのかと悩みました、これはイリジュウムを研磨するのではなく、ペン先のわずかなズレを整え直し、研磨するのではなく磨く程度に押さえ、安定したインク出に調整しました、もちろん初筆切れは解消済みです。

IMG_3326 (2)ペリカン40周年・調整前-1
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IMG_3350 (2)ペリカン40周年・修理後サンプル
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2023/02/02
コラム

【モンブラン】マイスターシュティック No,146 ペン先曲がり直し

落とされたそうです、かなりキツイペン先曲がりです、この様に真横に90度曲がるそれも片方だけ珍しい曲がり方です、どのような状況でこうなったのでしょうか?

これは直し(ペン先を起こす時)の途中で折れる事あります、慎重に力を出来るだけ加えないように、とにかく優しくゆっくりと曲がり直しをして行きます。

片方だけを起こしますので、14金のペン先は少し(ほんの僅か)伸びてしまい書けなくなります、次にイリジュウムの長さを左右同じに整え(研磨)て、滑らかな滑りを取り戻しインク出の調整、磨きをかけて完成になります。

同時に胴軸の分解新しいシール剤でペンカバー・首軸などを完全にシールし漏れを防ぎます。

これで事故が無ければ、たまのお手入れで何年も快適ご使用いただけます。

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IMG_3372 (2)修理後サンプル
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2022/12/16
コラム

【モンブラン】 万年筆 スターウォーカー

 

モンブラン スターウォーカー メタルラバー 万年筆の細字直し依頼です。

M――>F位の調整です、かなり古いタイプのスターウォーカーです。    発売当初はかなり人気があり良く売れましたが製造中止になり久しくなります、今でもほしい人は結構おられます、このオーナーもあちこち探されてやっと入手されたそうです、時間は結構経過してりますが、全体に綺麗で損傷がほぼなく、ペン先とクリップの位置も真っすぐでズレも無く、保存状態の良い物でしたが、ペン先が太くインク出も多く使いづらく困っていたそうです。

オーナーの利き手・筆圧・角度・インク出の多い少ないなどの書き癖、好みなどを聞きながらの調整になります。  

書き癖の良い悪いはありません、そのオーナーの書き癖と希望に合わせての調整になります、どんなに高価な万年筆もオーナーの癖に合わないものは使えません。

万年筆はこの角度、筆圧はこの位に持なさいと言う人がいますが、自分の癖を矯正しようとすると、ストレスが溜まりますストレスを感じるとその万年筆はだんだんつかえなくなり、やがて引き出しに入ったままになります、せっかくの万年筆自分なりの書き癖に調整して思いっきり使ってください、手放せない一本になります。

IMG_3261 (2)調整前-1・この写真を掲載
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IMG_3275 (3)調整後-1・この写真を掲載
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2022/12/14
コラム

【モンブラン】万年筆 No,P149

No,P149を入手されたが、太くて、インクも多く使いづらいとの事でのペン先細字直しの依頼です。

出来るだけ細目が良いとの事でしたが、基本は一ランク位の直しになります、今回はMをFの細目に仕上げました、又初筆切れも同時に調整です。

ペン先はプラチナ仕上げですので、細字直ししますとペン先の横(ペン先の肉厚)の部分が地金の18金の色が出ますが、仕上げればほとんど目立ちません。

ペン先を細字に仕立てるには、イリジュウムだけを小さく研磨しても細くなり切りらないのと見た目がかなり悪くなります、、ペン先全体を細くイリジュウムの付け根の金の台からFにして行かなくては、見た目が良くなりません。

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IMG_3285 (2)調整後-5掲載にはこの写真を使う
2022/12/09
コラム

【モンブラン】万年筆 No,82 吸入不良

モンブランNo,82 の吸入出来ないが修理可能かとの問い合わせです。

50年以上も前に製造中止になった物ですモンブランでは受け付てくれません、それで当店へのご相談となったのでしょう。  これくらい古い物になりますと電話だけでは答えようがありません(ほぼ修理不可ですが)、一度お送り頂きまずは現物を拝見してからになります、当店で出来るとしてもオーバーホールのみです、古すぎて部品は一切ありませんので何処か破損しての部品交換になれば、その時点で修理不可の判断になります。

今回は吸入不良との事でしたので、たぶん修理不可だろうと思いましたが、大事な人から譲り受けたもので、直せるものなら直して使いたいとの事でしたので、お送り頂くことになりました。

届いたものは、年代物にしては綺麗で部品の欠損も破損もなく、手入れをすれば十分にご使用いただけると判断し、修理をお受けすることにしました。

吸入不良の原因は、インナー尻軸の空回りでした、この尻軸は金属の鞘の中に薄く削った樹脂の尻軸をはめ込み接着をします、このインナー尻軸の接着が外れたことが原因でした。

通常この修理は部品(尻軸)交換になりますが、部品は全くありませんので、このインナーを接着しなおすことにしましたが、金属の鞘から(金属の尻軸)中の樹脂の尻軸を外すのが大変です。

インナーを止めている金属の爪を慎重にゆっくりと起こしてゆきます、中のインナーは樹脂を薄く削っておりますので少しでも力を加えると割れてします、又金属の爪は折れてしています、時間を掛けてゆっくりと作業を進めます。

今回はうまく行きました、これさえ直れば後はペン先調整と組み立てだけです、とにかく古い物ですので経年劣化に注意しながらの作業になります、久しぶりの手間のかかる修理でした。

IMG_3197 (2)この写真を掲載
IMG_3218 (2)修理後サンプル
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2022/12/07
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149

長い間インク入れたままで放置されていたとの事で、吸入器が全く動かない状態でした、このようなときに無理に尻軸を回しましと、固まったインクが胴軸内部を傷つけ、気密の漏れによるインク漏れの原因になります。

今回オーナーは無理をすると壊すかもしれないと思い、そのままお持ちになられました正解です。  
オーバーホールのみで胴軸は交換しなくて済みました、がペン先全体にゆがみがありこのままではインク出の不安定と書き味に問題が出ますので、オーナーからのペン先調整の依頼はありませんが、直し調整をしております。

これで吸入出来るようになりました、また書き出しの切れも無くなり、書き味も良くなりインク出も安定するようになりました、これでまた何十年も愛用頂けます。

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2022/12/03
コラム

【モンブラン】万年筆 ペン先細字直し

モンブランNo,144  黒 漏れとペン先細字直しの依頼です。

インクが漏れるのとインク出が多く、ペン先も太い、さらに書き出しが切れてとにかく使いづらくて困っているとの事、とキャップが緩く抜け落ちるとの事です。

入手当時は英語を主に書くので少しくらいの太目でも問題はなかったと事ですが、最近は罫線の細い手帳に記入することが多くなり、書きづらく感じるようになってきたとの事です、又オーナーは左利きですので、筆記時のペン先はあたりが右利きとは逆になりますので、その調整も気にかけなくてはなりません。

残念ながらこのNo,144のインク漏れは止められません、部品交換しても少しの間は漏れませんが、しばらくしますと漏れるようになります、なぜか原因は判りません。

よって今回は、ペン先細字直しと初筆切れをまず直してほしいのと、書き味の調整とインナーキャップの交換の修理依頼です。

まず分解、洗浄後インナーキャップの交換、ペン先全体のゆがみ曲がりの点検調整後組み立てて、細字直しになりますかなり細くなりました、オーナーの希望で出来るだけ細くしてほしいとの事ですのでEEFに調整しました、それでもザラツキや引っ掛かりは無いように、又インク出もかすれない様に調整しました。

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2022/12/01
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149

旧型 14金中白「B」ポイントのNo,149の修理調整の依頼です、ペン芯はエボナイトの切れ込みの入った二枚舌の物になります。

時間はかなり経過しておりますが、全体はかなり綺麗でまだ十分にご使用いただけるものです。

インクを入れたままになっていたので、詰まってしまいまたそのせいでピストに傷がつき漏れが見られました。

ペン先も“B”ポイントいう事で、角度によっては書きづらさを感じられたのでしょう、ペンカバーと首軸の間のシールも古い物ですので経年劣化しておりました、全てを分解し、洗浄し磨きをかけて、ペン先のゆがみの調整をして、新しいピストに交換して組み立て直します、

これでオーバーホールは完成です。

次はペン先の調整です、Bポイントは少しの傾きでも初筆が出にくい場合があります、これはモンブランBの特徴で縦横の線の幅に違い出るように作られているためで、ただ太いだけのBではありません、これにより筆跡に変化出て豊かな表現が可能になり楽しい書き味を体験できます、ただそれでもやはり使いづらく感じる人もおられますので、それはそれで少し調整をすることでより使いやすく、心地良いものになりさらに楽しい書き味を体験出来るようになります。

今回は少しの傾けにも対応できるように調整しております、インク出もBらしく少し多めの感じに仕上げました。

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2022/11/29
コラム

【シェファー】万年筆 レガシーヘリテイジ パラジュウム

シェファーの少し前のタイプになります、ペン先を落として曲げてしまったとの事。
このタイプは、ペン先が首軸に組み込まれておりますので、ペン先曲がり直しをするにはペン先を外さなければなりません、が当店にはその工具がありません
メーカー出しになります、おそらくペン先交換になるのでしょうが、シェファーの修理を受けてくれるところがありません、何処の店も代理店も輸入元が無いので修理を受けられません。
このようなことで一度はお断りしたのですが、大事な人からのプレゼントで思い入れも多くこのまま使えなくなるのは申し訳ないとの事で、何とか直してほしいとの強い要望がありましたのでお受けしました。
ペン先を外せないのでこのまま首軸に取り付けたままでどこまで直せるか判りませんし、直しの途中でペン先が折れる事もあり、十分に使えるようになるか修理を実行しないと分かりません、折れた場合も折れたままでお返しすることになりますとの、了解を得た上でのペン先曲がり直しになりました。
さすがに、首軸に付いたままでは直しにくいですし、思いのほか硬いペン先で曲がりを起こすのにとても手間がかかりました、出来るだけ仕上がりも綺麗に傷が無いようにと思いましたが傷を取り切れませんでした、曲がった痕跡が少し残ったままになりましたが、書き味を優先しこのままでのお返しになりました。
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2022/11/12
コラム

【モンブラン】万年筆 モンブラン ヘリテイジ ノワール トロピックブラウン

大変綺麗なデザイン、さすがモンブランと思いますそんなモンブランでも落とせばやはり損傷します、今回は落下によるペン先の曲がりでした、軸には傷もへこみもなく、ペン先も見た目はそれほどひどい曲がりではありませんでしたのですぐに直ると思いましたが、書き味がなかなか良くなりません、おそらくですが初めから書き味に問題があったのか?と思います、わずかなザラツキと引っ掛かりがなかなか取れなくてなくて、調整に手間がかかりました。

ペン先は「F」で小さなイリジュウムです、今回の調整がオーナーにとって最善とは限りません、常に再調整が可能な様にしなければなりません、極力イリジュウムを研磨し過ぎないように、磨く程度に収めるようにと心がけて調整しました。
特に郵送での依頼は、言葉でのやり取りになりますので、オーナーの微妙な感覚の受け取り方もズレが出てきます、そのためには常に余裕は必要になります。
外国製は比較的イリジュウムが大きく、調整にも余裕と幅が持てます。

 

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