万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2022/09/29
コラム

【モンブラン】P149 ペン先曲がり

落下によるペン芯のズレでペン先に損傷はないと思われたようです、確かにペン先の先端にわずかに曲がりがあり、素人目には曲がりは無いないような曲がりですが、分解してみれば大きな曲がりがあります、それはペン先の付け根(胴軸に入りこんでいる部分)に大きく上に反るように全体が曲がっております、ペン芯がずれた様に見えるのは、ペン先が大きく上に曲がっている(ペンカバーの入り口を支点に)ためです。

この曲がり直しは大変です、板金さながらペン先の裏からペン先をたたき出すように、しかも表には傷が残らないように、真っすぐに元に戻さなければなりません、18金のペン先は直す(戻す)のに力を加えすぎるとペン先の一部が伸びてしまい、変形してしまいます。

今回はうまく行きました、先端の曲がり直しも傷がつかなく、バフでの磨きも必要ありませんでしたので、プラチナ加工も取れなくて済みました。

もちろん、いつも上手く行くとは限りません、今回は素直な曲がり?だったのでうまく直ったのだと思います。
ペン先の直しは一つとして同じものはありません、直し、調整は経験による引き出しの多さだと思います。


IMG_3005 (2)調整前1
IMG_3006 (2)調整前-2
IMG_3007 (2)調整前-3
IMG_3010 (2)調整前-5
IMG_3022 (2)調整後サンプル
IMG_3017 (2)調整後-1
IMG_3018 (2)調整後-2
IMG_3019 (2)調整後-3
IMG_3021 (2)調整後-5
2022/09/22
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146 

モンブラン 旧型No,146  インク出不良/インク詰まり/ペン先調整

インク詰まりによるインク出不良です、ペン先のきり割の中ほどに少し曲がりがあり、これが原因でざら付き、インク出が安定しません。

ペン芯/ペンカバーはエボナイト製で胴軸のインク窓は格子のない透明です、たぶん40年以前位でしょうか?かなり古い物になりますが多少の劣化のある物の、見た目の損傷もありませんせんのでキッチリと調整とオーバーホールをすれば全く問題なくさらに何年も使用できます、これまで長く相棒であった万年筆、このあたりで一度全てを分解し古くこびり付いたインクやら汚れを洗い落とし磨き組み立て直すことで甦ります。
こんなにも長く使い続けられ筆記具は万年筆だけです、使い込むほどに手に馴染みオーナーの好みの癖付けが出来ます、唯一貴方だけの一本になります。

 

IMG_2980 (2)修理前-1
IMG_2997 (2)
IMG_2990 (2)
IMG_2991 (2)
IMG_2993 (2)
IMG_2994 (2)
2022/09/21
コラム

【ペリカン】万年筆 M805 ブラックストライプ 「M」

 

M」ポイントの平研ぎでモンブラン「B」ポイントの様に仕上げてほしいとの依頼です。

EFMまでのペンポイントは縦横の線の太さは同じように作られておりますが、オーナーはこのままでは、書いていて楽しくないのと“Mの太さで縦横の違いをしっかりと出したい、モンブランの“B”ポイントでは少し太い、気に入って求めたペリカンM805ブラックストライプをぜひ自分様に気に入ったペン先に仕上げて、普段使いしたいとの依頼です。

外国製の万年筆は比較的イリジュウムが大きく付けられておりますので、可能ですがやはりそうすればイリジュウムの先端を削り落とさなければなりません、ペン先調整するうえでイリジュウムの先端を落とすと言うのは、細字直しであってもそれをしてはいけません先端を研磨してしまえば、ペン先の寿命は短くなりますし、何より大変不細工にもなり見てくれの悪い物になります、が今回は研磨を最小限にし極力イリジュウムを残しながら、縦横の変化が付くように、しかも見た目もハッキリと“M”の平研ぎとわかるようにと心がけ調整しました。

IMG_2972 (2)調整前-1
IMG_2973 (2)超s目-2
IMG_2975 (2)調子前-4
IMG_2976 (2)調整前-5
IMG_2987 (2)調整後サンプル
IMG_2983 (2)調整後-2
IMG_2984 (2)調整後-3
IMG_2985 (2)調整後-4
IMG_2986 (2)調整後-5
2022/09/13
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 ペン先曲がり直し

 

万年筆を落下させてしまったとの事でのペン先曲がり直しです、幸いペン先以外には破損はありませんでした、ペン先にヒビもなく曲がり直し調整で充分元にもとに戻ります。

今回は、曲がり直しとインク出調整・書き味の調整とオーバーホールでまた何年もご使用いただけます。

これは2017年にお買い上げいただいた物ですので、当然無料修理になります。

IMG_2925 (2)調整前-1
IMG_2926 (2)調整前-2
IMG_2927 (2)調整前-3
IMG_2928 (2)調整前-4
IMG_2960 (2)調整後サンプル
IMG_2959 (2)調整後-5
IMG_2957 (2)調整後-3
IMG_2958 (2)調整後-4
2022/09/12
コラム

【モンブラン】旧型 No,146 万年筆

 

旧型のNo,146たぶん40年位前の物でしょう、一度修理をしてキャップを交換した時に変色したペン先の磨きも依頼されたそうですが、この変色は元に戻せないと言われたそうですなぜでしょうか?No.146のペン先は14金で58.5%の金と残り41.5%の大方は銀・胴です、変色の原因はこの銀、銅の硫化や酸化で表面だけの物です、分解した時に磨けば元の輝きを取り戻します。

今回は分解し、イリジュウムの再研磨をして書き味の再調整・インク出の調整とペン先変色の磨きオーバーホール、またレポート用紙一枚くらいでカスレるとの事でしたので、原稿用紙に試筆をしインク出と書き味を確認しました。

 

IMG_2930 (2)調整前-1
IMG_2932 (2)調整前-3
IMG_2933 (2)調整前-4
IMG_2934 (2)調整前-5
IMG_2946 (2)調整後サンプル
IMG_2947 (2)調整後の試筆
IMG_2942 (2)調整後-2
IMG_2943 (2)調整後-3
IMG_2944 (2)調整後-4
2022/09/09
コラム

【ペリカン】万年筆 M 1000 緑縞

 

ペリカン M1000M800M600M400と違いペン先の腰が柔らかく出来ております、少しの筆圧でもすぐにペン先が開きます、もとより筆圧の強めのひとには使いずらく感じるかもしれません、しかしそのペン先を理解し慣れれば楽しいペン先です、又その軸の大きさからゆったりと握れて疲れも少なく長い時間の筆記にも適しております、人は書く時ペン先見ますので、小さいペン先を見つめるようなこともなく疲れが少なくなります。

今回はまずペン先の曲がり直し・ペン先に少し強めの腰を持たせるようにとイリジュウムの再研磨により滑らかにスムーズなインク出をと思い調整しました。

IMG_2936 (2)調整前-1
IMG_2937 (2)調整前-2
IMG_2938 (2)調整前-3
IMG_2939 (2)調整前-4
IMG_2940 (2)調整前-5
IMG_2953 (2)調整後サンプル
IMG_2949 (2)調整後-2
IMG_2950 (2)調整後-3
IMG_2951 (2)調整後-4
2022/08/30
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146

旧型のNo,146 クリップには番号ではなく「GERMANY」と刻印のある物です、ペン芯はエボナイト製で40年以前の物でしょう、形見との事で思い入れがあり手入れをして使えるようにしたいとの事でした。

ペン先が少しずれているのと、インクを入れたままでしたのでひどい詰まりがありました、がご自分で何とかしようと思わず当店に持ち込まれたのが幸いでした。

無理にピストンを動かすと尻軸が破損する可能性がありますし、又胴軸内部が固まったインクで傷がつき軸の交換になってしまいます。

まず時間を掛けて固まったインクを溶かすことから始め、ゆっくりと分解します分解出来れば、後は各部品を洗浄しペン先を調整し組み立ててペン先を磨き、軸の磨きをして完成です、これでまた長くご使用いただけます。

形見ですので出来るだけ部品交換をしないで再生したいものです、部品交換しますと新旧の部品が混在して見た目のバランスが良くないのではと思います。

IMG_2907 (2)調整前-1
IMG_2909 (2)調整前-3
IMG_2910 (2)調整前-4
IMG_2911 (2)調整前-5
IMG_2917 (2)調整後サンプル
IMG_2913 (2)調整後-1
IMG_2914 (2)調整後-2
IMG_2915 (2)調整後-3
IMG_2916 (2)調整後-4
2022/08/24
コラム

【モンブラン】限定万年筆 アーネスト・ヘミングウェイ

1992年発売の作家シリーズ「アーネスト・ヘミングウェイ」萬年筆20.000/ボールペン30.000本の(世界本数)限定数でした。

No,149サイズの作家シリーズはこのヘミングウェイと1996年発売の「アレキサンドル・デュマ」のみでした。

このヘミングウェイは太めの握り心地でバランスが良く、又コーラルレッドの胴軸とダークブラウンのキャップで大変人気がありました、発売が終了してからの方が人気に火が付いたようで、中古市場で発売時の何倍もの価格で取引された様です。

30年も経っておりますが、インクを抜いて保管されていたとの事で、劣化はみられませんでしたが、ペン先に少しの曲がりがありましたのでその影響でインクの出が悪く/書き味も良くありませんでした、久しぶりのヘミングウェイで楽しく調整させていただきました。

 

IMG_2884 (2)調整前-1
IMG_2885 (2)調整前-2
IMG_2886 (2)調整前-3
IMG_2887 (2)調整前-4
IMG_2893 (2)調整後サンプル
IMG_2890 (2)調整後-2
IMG_2891 (2)調整後-3
IMG_2892 (2)調整後-4
2022/07/16
コラム

【万年筆】木製軸 インク出不良

メーカー・年代は判りません、オーナーもご存じなくただこの木製のデザインが気に入っているとの事で使えるようにしてほしいとの依頼です。

ペン先はスチールペン先、たぶん外国製かな?と思われます、ただ万年筆はメーカーが違っても、おおよその構造は判りますのと原理はどれも同じですので、オーナーの断っての希望もあり引き受けることにしました。

実はこの調整は再調整になります、一回目は6月の半ばに預かりオーバーホール、ペン先調整をしてこれでよしと思いお返ししたのですが、2週間ほど経った頃、以前よりはずいぶん良くなったがやはりしばらく書いているとかすれてくるとの事でした。

もちろん一回目の調整後も試筆はしておりますが、今までの経験上、これよしとの思いで

自信をもっておりましたが、まだ直り切ってないとの指摘に、そんなはずは?なぜとの思いでした。

再度お預かりし、原因は何処か?何が良くないのか、今までは問題なく使えていたのですから、何処かしら原因があるはずです。

オーバーホールは済んでおりますのでインク詰まりではない、筆圧の強いオーナーですのでそれが原因かとも思いましたが、果たしてその程度でインク途中切れになるだろうか?ただペン先のきり割に中ほどにわずかに上下のズレがあるのと、イリジュウムの内側の取りすぎかなとも思いました、まずはこの直し調整で再研磨を実行することにしました。

まずペン先のイリジュウムとハートポイント(穴)の間のズレを直しペン先の形を整え、次にイリジュウムを再研磨し「馬尻」を解消するようにしました。

これで原稿用紙に試筆をし、初めと最後のインク出を確認しこれで良しと思いましたがしたが、さてどうでしょう良いか悪いかを決めるのはオーナーです。

万年筆はほんとにデリケートだと再確認しました、又過去数十万本ものペン先調整をしてきましたのにいまだ判らないことがあります、今回もハッキリしたこれが原因としたものは判りませんがたぶんこれだろうとあたりを付けて、直し調整をしました。

オーナーにとっては大切な一本ですので壊すことは出来ません、まして他に代替えがありませんので、慎重になります。

IMG_2863 (2)調整後-1
IMG_2864 (2)調整後-2
IMG_2865 (2)調整後-3
IMG_2866 (2)調整後サンプル
2022/07/16
コラム

【パーカー】万年筆 ソネット・アトラスCT ペン先細字直し

パーカーの細字直しになります、F ーー>EFくらいに調整。
新品のアトラスCT、綺麗な万年筆ですオーナーは細字が好みですが、このシリーズにはEF仕様がありません、以前はEFもBも定番で用意しておりましたが、最近はどのメーカーも一部のシリーズを除いてどんどんペン先の字幅の選択が少なくなり、FとMのみとかあるいはFのみとか、になってしまい少し不便を感じます。
漢字のように複雑な文字にはやはり細字が使いやすく感じます。
当店にもペン先細字直しの依頼が結構あります、細くしたからとしても決してザラ付いたり引っ掛かったりはしません、が細くすることで手に当たる感じが少し硬く感じるようになりますが、太くて我慢してストレスを溜めるよりはよいのではと思います。
IMG_2841 (2)調整前-1
IMG_2842 (2)調整前-2
IMG_2843 (2)調整前-3
IMG_2844 (2)調整前-4
IMG_2860 (2)調整後サンプル-1
IMG_2856 (2)調整後-1
IMG_2857 (2)調整後-2
IMG_2858 (2)調整後-3
IMG_2859 (2)調整後-4
7 8 9 10 11

Page Top